シロダモの名前なまえの由来ゆらいは？

山野さんやで赤あかい果実かじつと花はなを一緒いっしょに付つけた、葉はの裏うらが白しろい樹木じゅもくを見みたことがありますか？
その木きこそ、シロダモです。シロダモは、タブノキに似にていることと、葉はの裏うらが白しろっぽいことから「シロタブ」といわれ、それが訛なまり、「シロダモ」と呼よばれるようになったといわれています。照葉樹林しょうようじゅりんでよく見みられる常緑広葉じょうりょくこうようの中高木ちゅうこうぼくです。

わずかに緑色みどりいろを帯おびた、なめらかな樹皮じゅひ

シロダモの樹皮じゅひは、わずかに緑色みどりいろを帯おびた、灰褐色はいかっしょくもしくは暗褐色あんかっしょくで、割われ目めはなく、比較的ひかくてきなめらかです。わずかに丸まるくて小ちいさな皮目ひもくとクレーターの形かたちをした突起とっきが多おおくあります。

シロダモの樹皮じゅひは老木ろうぼくになってもあまり変かわりません。幹みきの太ふとさは最大さいだい直径ちょっけい40cmほどにもなり、木材もくざいとして建材けんざいや薪炭用しんたんようとして活用かつようされてきました。

葉はを観察かんさつしてみよう

シロダモの葉はは互生ごせいです。葉はには艶つやがあり、長ながさ8～18cmの、やや大おおきな卵状たまごじょうの長楕円形ちょうだえんけいです。葉はの先端せんたんは尖とがっていて、はっきりとした３本ぼんの葉脈ようみゃくが目立めだちます。

葉柄ようへいがあり、枝先えださきにまとまって生はえます。

葉はの裏うらが白しろっぽいシロダモ

葉はの表おもては緑みどりですが、葉はの裏うらは白しろっぽいのが特徴とくちょうです。
ロウソクのロウのようなものにおおわれて白しろっぽくなっていますね。葉はの裏うらを爪つめでこすってみてください。ロウが剥はががれ落おち、白しろのところが緑色みどりいろに変かわっていきますね。

葉はの香かおりをかいでみましょう

暖あたたかく、少すこし湿度しつどがある山やまに生はえる、卵たまご形がたをした常緑樹じょうりょくじゅで、照葉樹林しょうようじゅりんでよく見みられます。クスノキの仲間なかまです。

さあ、葉はをちぎって、香かおりをかいでみましょう。クスノキ科か特有とくゆうのツーンとした香かおりがしますね。

たれさがったウサギの耳みみのような若葉わかば

春はるになると、上向うえむきに伸のびた枝先えださきに、新あたらしい葉はが生はえてきます。黄褐色おうかっしょくの絹毛きぬげのような柔やわらかなうぶ毛げが葉は一面いちめんに付ついていますが、しだいに表面ひょうめんからは毛けがなくなり、裏うらだけに少すこし残のこります。

若葉わかばは、長ながい葉柄ようへいがあるため、下したに垂たれ下さがるように付つきます。この状態じょうたいが、垂たれ下さがったウサギの耳みみに似にているため、シロダモを「ウサギノミミ」という別名べつめいで呼よぶ地域ちいきもあるようです。

雄おすの木きには雄花おばなが、雌めすの木きには雌花めばなが！

雄花おばなと雌花めばなが別々べつべつの木きに咲さききます（雌雄しゆう異株いしゅ）。

花芽はなめ

シロダモの花芽はなめは葉芽ようがと違ちがい、球体きゅうたいです。シロダモは花芽はなめと葉芽ようががまったく異ことなる形かたちをしているので簡単かんたんに見分みわけることができます。先端せんたんが尖とがっているのが葉芽ようがで、丸まるいのが花芽はなめです。

花はなと実みが同時どうじに見みられるのが、シロダモの特徴とくちょう

花はなと実みが一緒いっしょに見みられるのが、シロダモの大おおきな特徴とくちょうです。そのわけは、花はなのちょうど1年後ねんごに実みが熟じゅくすからです。

10～11月がつ、葉はの付つけ根ね（葉腋ようえき）のところに黄色味きいろみを帯おびた褐色かっしょくの小ちいさな花はながまとまって咲さき、翌年よくとしの秋あき、長ながさ１cm少々しょうしょうほどの楕だ円形えんけいの果実かじつが赤あかく熟じゅくします。

果実かじつが赤あかい理由りゆう

シロダモの果実かじつが赤あかい色いろに熟じゅくすのには理由りゆうがあります。鳥とりを呼よぶために、真まっ赤かなのです。

シロダモは、果実かじつ（種たね）を鳥とりに食たべてもらいます。種たねは鳥とりの糞ふんと混まざり、森もりに散布さんぷされます。

つづ油ゆって何なに？

シロダモの種たねから摂とった油あぶらは「つづ油ゆ」「つづロウ」と呼よばれ、ハゼノキやタブノキと同おなじように、灯明油とうみょうあぶらやロウソクの原料げんりょうとして長ながく使つかわれてきました。

鳥とりの罠わなに使つかう実み

鳥とりをおびき寄よせるために、罠わなに入いれる実みとして、宮崎みやざきの子こどもたちに愛あいされてきました。